第1回 ゲリラ豪雨、竜巻、ひょう、雷は予報可能?

 今年7月に、気象をテーマにした伝奇的ファンタジー的科学小説(ややこしくてすみません)、『雲の王』を上梓した。ここで言う「王」とは、様々な雲の中でとりわけ空高く成長し激しい雨を降らせる積乱雲のことだ。

 積乱雲は、豪雨や雷、竜巻などを引き起こし、時には人が亡くなるような事故をもたらす。しかし、勇壮で雄大で力強く、荘厳さすら感じさせ、人を惹きつけてやまない。その両義性を、小説の中では表現したつもりだ。

 ぼく自身、積乱雲に魅せられた者の一人である。特に空の広い旅先などで(東京の空は狭すぎる)、成長中の積乱雲を見つけると、そいつがどんどん高くなり最後は崩壊するまで観察したくなる。雲のてっぺんをほんの数10秒見ていれば、まさに「見る見るうちに」変化していく本当にダイナミック(動的)な気象現象なのだ。

左から右のようにあっという間に形を変えた積乱雲。『雲の王』特設サイトより。(撮影:川端裕人)
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2012年9月号特集「猛威を振るう異常気象」
本誌では世界の異常気象についてレポートしています。フォトギャラリーもあるWebでの記事の紹介はこちら。ぜひあわせてご覧ください。