第3話 鼻づまり、虚弱体質、失神、なんでもござれチーム!

 6歳のオス、ブロンクスは、甲状腺機能低下症という病を抱えていて、毎日、2種類の薬を飲ませなければならない犬である。

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 これは、甲状腺ホルモンの異常から、体のエネルギー利用が阻害されてしまい、筋力や心拍、内臓機能が低下してしまう病気である。

 簡単に言えば、ご飯を食べても、それが体の血肉やエネルギーになりにくいのだ。

 ブロンクスには、他の犬たちの2倍ご飯を与えることになっているが、体はいつまでもひょろひょろと細く、年齢的にまだまだ中堅の犬でありながら、まるで老犬のように筋力がない。

 疲れやすく、心拍も弱いことから、犬橇のトレーニングの時には、いつも「体育は見学」という子供のように背中を丸めてぽつんと座って、みんなのことを見つめているのだった。

 そんなブロンクスも、犬橇の経験は豊富なほうで、やんちゃな若い犬たちのしつけ役として欠かせない存在である。