- SEPTEMBER 2012 -

ナショナル ジオグラフィック協会 写真資料室から

海でかせいで嫁入り支度

 潜水の合間に一息入れる海女たちの、笑顔がはじける。水中眼鏡は圧力調整用の空気袋が付いたもので、1936(昭和11)年ごろに撮影された。写真にはこんな説明が添えられている。「結婚資金をかせぐために働いている。元気で健康的な彼女たちは、強い母となる」

 民俗学者の宮本常一が「実によく働く」と評した志摩の海女たちは、子どものころから海に親しみ、娘時代からアワビや真珠貝、海藻などをとって一人前の収入を上げた。秋には農家の収穫を手伝い、地元の海の獲物が減れば出かせぎ先の海にも潜る。「こうしてよくかせぐ娘は人目にもつきやすく、嫁入り口が多かった」という。

EUROPEAN PICTURE SERVICE/NATIONAL GEOGRAPHIC STOCK