第4章 1921-1956 カラー革命と第一期黄金時代

第27回 アクアラングを発明したジャック・イブ・クストーを支援

 そんなクストーにフランス海軍は理解を示しました。軍に所属しながら、クストーは専用の調査船カリプソ号を手に入れ、世界の海で海中探検を繰り広げてゆきますが、それにはやはり莫大な資金がいります。そこで1952年にナショナル ジオグラフィック協会に資金援助を要請したというわけです。

 翌1953年、クストーはアクアラングによる海中探検について『沈黙の世界』という本を書き、22カ国で500万部を売る大ベストセラーとなります。そして、1956年にはのちに『死刑台のエレベーター』の監督となるルイ・マルと共同で同じタイトルの映画をつくり、なんとカンヌ映画祭の最高賞であるパルム・ドールを受賞。押しも押されもせぬ世界的探検家になると同時に、人類の海への扉を大きく開け放ったのでした。

 1952年以来、ナショナル ジオグラフィック協会によるクストーへの支援は37回、50万ドルにおよび、2011年12月に発表した「地球の理解を深めた支援探検・調査トップ10」 のひとつにも選ばれました。1957年以降の活躍はまたあらためて紹介しますね。

 ところで、ルイ・マルとの共同監督でパルム・ドールに輝いただけあり、映画『沈黙の世界』はいまもとても見ごたえのある名作です。写真にしろ映画にしろ、その後の水中撮影のすべてのエッセンスはこの映画にある。これこそが水中撮影の原点であると中の人は思います。

 リマスター版のDVDが出ているので、まだ見ていない人はぜひご覧になってみてください。ツ○ヤでレンタルできますよ。ついでに冒頭のタイトルの最後に出てくるクレジットにもぜひご注目を!

つづく

(Web編集部S)