第4章 1921-1956 カラー革命と第一期黄金時代

第27回 アクアラングを発明したジャック・イブ・クストーを支援

 ジャック・イブ・クストーがアクアラングを開発したのは1943年でした。

 もとはパイロット志望のクストーでしたが、自動車事故で重症を負い、やむなく海軍に入ってリハビリのために海で泳ぐうち、すっかり海に魅せられてしまいます。ほどなく素潜りでは満足できなくなり、無重力状態に近い海の中で、魚のように動き回ることを夢見るようになりました。

 必要なものは明らかでした。海の中に長くとどまるには、絶対に圧縮空気がいる。問題は、水圧と同じ圧力の空気を必要なときに必要なだけ吸えるようにする方法でした。

 頭を悩ませていたクストーは、パリにいた専門家のエミール・ガニアンに相談をもちかけます。するとガニアンは「こんなヤツかい?」といって、自動車用の「デマンドバルブ」を見せました。燃料不足の戦時下、料理用のガスを自動車に使う目的で開発されたその調整弁こそまさにクストーが求めていたものだったのです。あとは2人でダイビング用に仕上げるだけでした。

 まだ戦争中でしたし、クストーは軍人でしたから、アクアラングは当初軍事用として開発されました。しかし、戦争が終わると、好奇心旺盛なロマンチストだったクストーはアクアラングのさまざまな可能性を追求しはじめます。

「しかしながら、自分たちの発明をもっと平和で生産的な用途にしたいと私は願った。明らかに向いている用途のひとつは水中撮影である」(1952年10月号)