第4章 1921-1956 カラー革命と第一期黄金時代

第25回 ナショジオが伝えた原子力時代の幕開け

 今回から戦後の話になります。

 長く激しかった戦争の終わりはそのまま新しい時代の到来を意味しました。国境や地名は大きく変わり、そのおかげでナショジオの地図製作部は大忙しでしたが、何も新しくなったのはそれだけではありません。

 飛行機やレーダーなど、皮肉にも戦争はテクノロジーを大きく発展させました。

 なかでも人々の関心を集めたのが原子力でした。

 原子力の扉を開いたのはもちろん広島と長崎に投下された原子爆弾です。その威力を見れば、以前とは次元の異なるチカラを人類がもってしまったことは明らかです。また、ソ連をはじめ、いずれはほかの国も原爆を完成させるといわれていました。もしもたくさんの国が原爆をもって、核戦争にでもなったりしたら……という恐怖は当初からありました。

「大いなる災厄であると同時に、大いなる希望でもある」そして「世界はもう二度と元には戻れない」といったのは、原爆を完成させた物理学者ロバート・オッペンハイマーです。この恐るべきチカラをどう扱ったらいいのかという問題は、戦後、いや、原爆が投下された直後から米国の国民的関心事でした。

 1945年10月号の「あしたの新世界(Your New World of Tomorrow)」はそんな状況をよくあらわしています。