行きたい、見たいと思ったところへ、とにかく行ってみるというのは、従来とそう変わらないと思います。

 ただ、50代、60代になったら、今のようなペースで仕事ができなくなると思うので、時間はとれるようになるんじゃないかな。そうしたら、もう少し隠居っぽい旅をしてみたいですね。

――隠居っぽい旅とは?

 昔のように3週間、1カ月と時間を長くとって行く旅。しかし、以前のようにギューギューに費用を切り詰める必要はもうないですから、ゆっくりと、移動もなるべくしないような旅をしたいですね。

 自分がその土地にいた痕跡を、しっかり残す時間もたっぷり使って(笑)。そして、旅を通じて、私なりの世界観を築いていけたらいいなと思っています。

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おわり

角田光代(かくた みつよ)

1967年、神奈川県生まれ。90年『幸福な遊戯』(角川文庫)で海燕新人文学賞を受賞。2005年『対岸の彼女』(文春文庫)で直木賞受賞。昨年は『八日目の蝉』(中公文庫)が映画化され、『ツリーハウス』(文藝春秋)が伊藤整文学賞を受賞した。これまでに30カ国以上を訪れ、『いつも旅のなか』(角川文庫)、『恋をしよう。夢をみよう。旅にでよう。』 (角川文庫)、『水曜日の神さま』(幻戯書房)など、旅をつづったエッセイも多数。近著は『月と雷』(中央公論新社)。


高橋盛男(たかはし もりお)

1957年、新潟県生まれ。フリーランスライター。自動車専門誌の編集を手がけたのちフリーライターに。JR東日本新幹線車内誌「トランヴェール」、プレジデント社「プレジデント」「プレジデントファミリー」などに執筆。

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