第2回 旅はこわい。けど、やめられない
――角田さんは、タイがお好きなんですね。
好きです。最初に旅にはまったのがタイ旅行でした。1991年、24歳のときです。
それまでも海外旅行はしていましたけれど、パックツアーや、宿と航空券がセットになったツアーで、10日以上の自由旅行はそれが初めてでした。
――自由旅行は何がきっかけで?
いくつかの要因が、その時期に重なったんです。
そのころ、作家だけでは食べていけないので、1年だけと決めてアルバイトをしていたのですが、それが終わって時間ができたこと。当時お付き合いしていた人と別れることになり、その前に一緒に旅行しようと。それから、2人の共通の知り合いがタイを旅行して「よかったよ」と言っていたので。
当時は、まだバックパッカーブームは来ていなかったと思いますが、何かしらその兆しはあったのかな。そんなこんなで、1カ月余りタイに滞在してみようということになったのです。