第1回 人には決まった量の「旅運」がある

――角田さんの著書『いつも旅のなか』を読みました。2005年の発行で、それまでの旅のエピソードを編んだエッセイ集ですね。

 20代から30代半ばまで、よく海外を旅しました。国の数にすれば、36カ国か37カ国くらいだと思います。何度も訪れた国もありますけれど。

――それにしても「何でそうなるの?」といいたくなるようなエピソードが満載ですね。たとえば北イタリアのトレッキングツアー、ハイキング程度のつもりで行ったら雪山登山。「いったい何が起こっているのか」と。

 恐ろしいですよね、勝手な思い込みで行ってしまったとはいえ(笑)。本当に遭難するんじゃないかと思いました。

――スペインでは、置き引きに遭った角田さんが、同行の女性と盗まれた荷物を探しに街へ出てゴミ箱漁りをする。そうかと思うとマレーシアでは、現地の若者と丸1日飲み食いおしゃべりしたあげく、夜中の1時に釣りに行き、夜通しビーチでバーベキューをする。これらエッセイは、奇異な体験をした旅ばかりを選りすぐって書かれたのですか。

 いえいえ、私の旅はいつもそんな感じだったんです。自分自身では、そんなに風変わりな体験をしたとは思っていないんです。

 誰の旅でも、そういうことはあるだろうし、同じ場面に行き会えば、似たようなことをするだろうなと思っているのですが。

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