昨日は早く寝たせいか、まだ空が暗いうちに目が覚めました。

 寝ぶくろのなかで頭を上げると、首や肩、背中にかけて、こわばったような鈍い痛みが走りました。

 慣れないカヤックを漕いできたせいで、筋肉痛が出始めているようです。

 でもそれは、新しい環境に肉体が適応しようとしている証拠で、苦痛というよりは、確かな成長が感じられて、なんだか嬉しい気分でした。

世界最北の砂丘地帯のひとつ、アサバスカ砂丘を流れるウィリアム川。1万年前の氷河が残していった、大量の砂を運びながら流れ続けている。(写真クリックで拡大)

 東に向いたキャンプ地から、テントの蚊帳越しに外を見つめていると、まもなく、空が白み始めてきました。

 と同時に、あちこちから小鳥たちのさえずりが聞こえてきました。

 ぼくは日の出の様子を眺めようと、テントを出て水際に立ちました。

 湖岸には、かすかに風が吹いていて、蚊たちも寄ってきません。

 東の空がパステル調のピンク色に染まり、明るさを増していきます。

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