第3回 外来種輸入には多くの問題、資源管理に漁獲規制が急務

業界団体の連合体「日本鰻協会」が作製した親ウナギの漁獲自粛を呼び掛けるポスター(写真クリックで拡大)

 養殖関係者の業界団体などでつくる連合体「日本鰻協会」はこのほど「母なる天然鰻を守ろう。」とのポスターを作製、天然ウナギの漁獲自粛を呼び掛け始めた。だが、これにはウナギ漁関係者から「シラスウナギの乱獲こそが資源減少の原因だ」との激しい批判が噴出し、限られた資源をめぐって両者が対立する構造に。関係者が一体となった資源管理の実現には程遠い。

「ニホンウナギは、日中や韓国など東アジアが共有する国際水産資源で、国際的な保護の努力が不可欠」(塚本教授)だ。「シラスウナギの漁獲量や養殖ウナギの生産量が増えている中国との協力が欠かせない」と6月半ば、水産庁の担当者が訪中し、中国・農業部の担当者と初の協議を行った。だが、実質的な議論は半日だけ。日本側が求めた養殖施設の見学も実現せず、次回の日程も決められなかった。

 資源管理は掛け声だけなのだが、水産庁には、養殖業者と飼料業者に補助金を出し、養殖ウナギが効率よく育つような餌の開発に取り組もうとの計画もある。資源保護よりも業界保護に熱心な行政の姿勢にも変わりは見られず、ウナギの資源保護の取り組みは遅々として進んでいない。

 欧州では、ウナギ資源の減少が指摘された80年代から、各国でデータの収集と研究が進み「どれだけの対策を取れば、いつごろ、資源がどのレベルまで回復するか」といったコンピューターモデルによるシミュレーションまで行われるようになった。これらの科学的な根拠が積み重ねられたことが、2007年以降のウナギの資源保護対策のベースとなった。