古くから漢方薬として珍重されてきた菌類の一種、冬虫夏草。需要の増加に伴い、産地のチベット高原は活気づいている。

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チベット高原の“金”

古くから漢方薬として珍重されてきた菌類の一種、冬虫夏草。需要の増加に伴い、産地のチベット高原は活気づいている。

文=マイケル・フィンケル 写真=マイケル・ヤマシタ

 標高4700メートルにも達するチベット高原。山の斜面のそこかしこで、日よけ帽をかぶった村人たちが雑草や野花をかきわけ、血眼になって何かを探している。そのお目当ては、「冬虫夏草」。コウモリガ科のガの幼虫にバッカクキン科冬虫夏草属の菌類が寄生したもので、古くから漢方薬として珍重されてきた。

 近年、中国経済の急成長とともに冬虫夏草の需要が高まり、価格が高騰。産地のチベットでは、多額の現金収入が人々の暮らしを変える一方で、盗難騒ぎや暴力沙汰、乱獲による採集量減少の懸念などを引き起こしている。チベットの冬虫夏草をめぐるさまざまな動きをレポートする。

編集者から

 「この菌は幼虫の体内の養分を吸収して育ち、春になると茶色い棒状の子実体(キノコ)が、殻だけになった幼虫の頭部を突き破って生えてくる」……。想像するだけでもなんだか恐ろしいですが、実際の見た目も、はっきり言ってグロテスクな冬虫夏草。それを煎じてお茶にして飲むだけでなく、ふやけた冬虫夏草も食べてしまうそうです(煮込んだスープや、鴨肉に詰めてローストした料理もあるとか)。冬虫夏草の薬効を盲信する人々の姿は、2012年3月号「サイの悲鳴」を思い起こさせます。(編集M.N)

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