第4章 1921-1956 カラー革命と第一期黄金時代

第21回 ナショナル ジオグラフィック協会の日常 その1

 この時代の協会の様子をいちばんよく伝える記事は、おそらく1943年の秋に『ニューヨーカー』が掲載した「束縛されない地理(Geography Unshackled)」という特集でしょう。

 まずは編集長のギルバート・グロブナーについて。

「親切で物腰が柔らかく、決断力があり、ポーカーフェイスで、歩き回るのが好きな67歳。詮索好きのバッタのように活発な雰囲気をかもし出し、ピンクの肌は血色がよく、商売人の賢さと知的好奇心と伝統への敬意、そして、裕福な大学の学長に時おり見られるようなホドホドのイノベーションへの寛容さを持ち合わせている」

 グロブナーの鳥好きにもふれています。

「前の戦争のときと同じように、こんどの戦争でも『ナショナル ジオグラフィック』の編集長は鳥の記事をあまり載せられなかった……でも、鳥と比べたら戦争など小さいことだと考える彼は戦争が終わるのを待とうとはしなかった。『編集長はオーストラリアのミソサザイのカラー写真を掲載してもらえないかと3年間ずっと言い続けている』と、ある編集者が最近知人に言ったという」

 とはいえ、ミソサザイの記事が掲載されたのはやはり1945年10月号でした。