TEDの目的は、「広める価値のあるアイデア」を共有すること。そのために講演会形式のイベントを開催し、厳選された話し手たちが、聴衆を前に質の高いプレゼンテーションを繰り広げる。テクノロジー(T)・エンターテインメント(E)・デザイン(D)をキーワードに、米国の西海岸で1984年に始まった。

 2006年に動画の無料公開がスタート。2年後からは、本家TEDと同じコンセプトで自主運営の「TEDx」が世界各地で開催できるようになり、現在では60カ国以上の都市に広がっている。

 日本でも2009年に始まった「TEDxTokyo」を皮切りに、地方都市や大学にもTEDが急速に拡大中。さらにはNHKもTEDの注目動画を紹介する番組「スーパープレゼンテーション」を開始し、急速に関心が高まっている。

 TEDで行われた18分のスピーチは、たちまち世界を駆けめぐる。会場での参加者数には限りがあるが、プレゼンテーションはネット配信の生中継で視聴できるし、後から動画を見ることもできる。共感を集めたアイデアや、それに対する反応はSNSで共有され、反響の輪がどんどん広がっていく。

ワールド・イズ・ブルー』の海洋学者シルビア・アール。2009年に「TEDプライズ」を受賞した。 (C) Koichiro Hayashi

 過去のTED登壇者リストを眺めてみると、豪華けんらん!と言いたくなる顔ぶれの中、ナショジオと縁のある人も目につく。ジェームズ・キャメロン、ジャレド・ダイアモンド、海洋学者のシルビア・アール、人類学者のウェイド・デービスといった協会付きの研究者や探検家たち。チンパンジーの研究者ジェーン・グドールや、ナショジオの写真部長のデビッド・グリフィン……そして、ジョン・フランシスもその一人だ。

 6月30日、東京・渋谷ヒカリエで開催された「TEDxTokyo 2012」。そのスピーカーとして招かれたジョン・フランシスは、日本の聴衆に何を語るのだろうか。まずは当日の会場の様子をのぞいてみよう。

「TEDxTokyo 2012」会場風景。6月30日、東京・渋谷ヒカリエで開催された。 (C)TEDxTokyo
TEDxTokyoの共同設立者の一人、パトリック・ニューウェル。2008年のTED以来、ジョン・フランシスと交流がある。 (C)TEDxTokyo
TEDではエンターテインメントも大切な要素。講演だけでなく踊りや音楽などのパフォーマンスでも盛り上がる。  (C)TEDxTokyo
運営は、さまざまな部門のボランティアのチームによって支えられている。 (C)TEDxTokyo