ジョン・フランシス (C)TEDxTokyo
(写真クリックで拡大)

 以前に担当した本の著者から、久しぶりに連絡があった。

 「6月末に東京へ行くことになったよ。TEDxTokyoというイベントで、話をするんだ」

 彼の名はジョン・フランシス。たまたま目にした原油流出による環境被害にショックを受けて、車に乗るのをやめようと一念発起し、さらには沈黙の誓いまで立てて、17年間だまったまま歩き続け、米大陸を徒歩で横断した人物だ。

 それだけなら「どえらい変人もいたものだ」と、あきれて終わりかもしれない。だが、ジョン・フランシスのすごさは、沈黙と徒歩と内省の日々を重ねながらも、隠者や世捨て人にはならなかったところにある。

 徒歩で旅をしながら自然に触れ、人々の話に耳を傾けた。環境について一から学び、大学で博士号など三つも学位を取った。原油流出被害のアセスメントに関する論文が専門家の間で高く評価され、米国沿岸警備隊の要請で原油流出の規制法づくりにも協力。ついには国連環境計画(UNEP)の親善大使に任命され、いつしか環境問題の専門家として、ひとかどの人物になっていた。

 ジョン・フランシスは、実は2008年に米国で、本家「TED」のカンファレンスに招かれてスピーチをしたこともある。過去の講演者にはビル・クリントン、ビル・ゲイツ、サンデル教授といった、そうそうたる顔ぶれが名を連ねる。TEDとは、いったいどんなものなのだろうか?

プラネット ウォーカー
無言で歩いて、アメリカ横断17年


これがジョン・フランシスの本です。
17年の旅路がぎゅっと詰まっています。