すると、1時間もしないうちに、つぎのポーテッジへと辿り着きました。

 今度のポーテッジの長さは90ロッド。北へ約450メートル先にバスウッド湖があります。

 バスウッド湖は、カナダとの国境にまたがる巨大な湖。いくつもの複雑な入り江や湾を持っていて、今回の旅の行程の大部分を占めることになります。

 カヤックを岸につけ、地面に降りると、荷物をすべて下ろしてひとまとめにしました。

 ここから、今朝と同じようにポーテッジを歩き、バスウッド湖までカヤックと荷物を運ぶのです。

 同じ過ちを繰り返したくはありません。

 ぼくは頭から防虫ネットをしっかりかぶり、カヤックを肩に担いでふたたび森の奥へと入っていきました。

つづく

大竹英洋

大竹英洋(おおたけ ひでひろ)

1975年生まれ。写真家。一橋大学社会学部卒業。1999年に米国のミネソタ州を訪れて以降、北アメリカ大陸北部に広がる湖水地方「ノースウッズ」の森に魅せられ、野生動物や人々の暮らしを撮り続けている。主な著書に『ノースウッズの森で』(「たくさんのふしぎ傑作集」)、『春をさがして カヌーの旅』(「たくさんのふしぎ」2006年4月号)、『もりのどうぶつ』(「こどものとも 0.1.2.」2009年12月号)(以上、すべて福音館書店)などがある。また、2011年3月NHK BSの自然ドキュメンタリー番組「ワイルドライフ カナダ ノースウッズ バイソン群れる原生林を行く」に案内人として出演。近著は「森のおく 湖のほとり ノースウッズを旅して」(月刊 たくさんのふしぎ 2012年 09月号)
本人によるブログは「hidehiro otake photography」

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