第1回 6000言語のうち2500が消滅する!?

 2009年2月、国連教育科学文化機関、いわゆるユネスコが、衝撃的な発表を行った。

 今世界に存在するおよそ6000の言語のうち、2500もが消滅の危機にさらされているというのだ。生物の絶滅危惧種の連想でいうと、まさに絶滅危惧言語である。

 消滅が危ぶまれる程度には4段階あって、最も危険な「極めて深刻」が538言語、それに次ぐ「重大な危険」が502言語、「危険」が632言語、「脆弱」が607言語だった。

 さらにいえば、1950年以降消滅した言語がなんと219語にのぼったという。最近では2008年、米アラスカ州でイヤック語が消滅した。

 消滅というと、言語がぽっと消えて無くなるというふうに響くが、つまりは、最後の話者が亡くなり、この世界に誰一人その言語を母語として理解する人がいなくなった、ということだ。

 さて、こういった事実を書き連ねると、一応のところ1億人以上の話者がいる日本語は安泰、というふうに思える。しかし、その安易な思い込みに反して、ユネスコの発表の中には、日本国内で話されている「言語」が、いくつも挙げられていた。

2012年7月号特集「消滅の危機にある言語の未来」
本誌でも危機言語の特集を掲載しています。フォトギャラリーもあるWebでの記事の紹介はこちら。ぜひあわせてご覧ください。