第3回 捨てられかけた古代ワニ化石

中国ジュンガル盆地で見つかった古代ワニ「ジュンガルスクス・スローニ」の化石。ナショナル ジオグラフィック2008年8月号「進化の謎を解く恐竜の墓場」より

――『ナショナル ジオグラフィック』誌でも、2005年8月号「火山灰に守られた化石」2008年8月号「進化の謎を解く恐竜の墓場」など、たびたび徐星さんにご登場いただきました。

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 ええ、よく覚えています。(右写真のページ(2008年8月号)を指さしながら)この頭骨を発見したとき、まさに「ナショナル ジオグラフィック」の取材班がその場におりました。

 同誌の編集者クリス・スローンさんが、ばらばらに潰れていた頭骨の破片を発見したんです。しかし、この時はほかに大きな発見が相次いでいて、とてもそんな細かい化石にまで注目している余裕がありませんでした。まあせっかくだからというので、一応はそれも発掘して持ち帰っていたのですが、しばらくほったらかしになっていました。

 ところが、うちの学生の1人がそれを調べてみると、まったく新種の小型陸生ワニの素晴らしい頭骨だったんです。この化石は、発見者の名にちなんでジュンガルスクス・スローニと命名されました。危うく重要な化石を捨ててくるところでしたよ(笑)。