最終回 大地震の断層サンプルをゲットせよ!

2012年5月21日、船上からも金環日食がきれいに見えました。(写真提供:JAMSTEC/IODP)
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 5月21日、船上は運命の日を迎えました。サンプル採取のための掘削は、あすの午前3時でタイムアップと決定されました。残り1日です。

 この日は、金環日食で世の中の人々が空を見上げていました。一方の船上では、みんなが下を向いて、ある期待を高めていました。サンプル採取の掘削深度がターゲットに近づいてきたからです。

 朝7時過ぎ、空がほんのり暗くなり、ここ日本海溝の海上からもゴールドリングを観察することができました。今日は何かいいことがありそうだ、とサニーさん。

 その根拠のない自信は、見事に的中するのでした。

 16時26分、その時はやって来ました。17回目のサンプル採取。海底下820メートル付近をほんの2.5メートルだけ掘り進めました。サンプルが船上まで引き上げられてくるまで3時間余り。

 そろそろプレート境界に当たるはず。来るはず、いや来てくれ。男前コータローさんも船上で待ち構えています。

 海底下から引き上げられたコアが船上に到着しました。

 え! なんでこんな形になってるの?

 初めにサンプルを見たサルハシ隊長が思わず叫びます。確かに一目見ただけで、明らかに今までとは形が違います。