最終回 大地震の断層サンプルをゲットせよ!

ほんの少しでも貴重なサンプル。海底下のどんな世界が見えてくるでしょうか。(写真提供:JAMSTEC/IODP)
(写真クリックで拡大)

 地震生命圏を発見しようと挑んでいるタカイさんはサンプリングや分析に追われ、船室に帰れずにラボの棚で寝ています。(←そして風邪をひきました。しかも他の人にうつしました)

 学位論文が書けるかどうかという人生の岐路に立っていた大学院生のタマラは、サンプルを入手してもうウキウキ、見ているこちらもうれしくなってしまうほどです。岩石サンプルをお風呂に浸ける研究者、なめてみる研究者もいたりして、みんな慌しく調査しています。

 東北地方の沖合で沈み込んでいる日本海溝というのは、太平洋のはるかかなたで約2億年前にできた古い岩盤(プレート)が移動して来て急角度で沈み込んでいるそうです。

 岩石の物理特性を調べるメガネ美男ヒロセさんは言います。

 「ボクらが学んできた教科書的には、こういう地質環境では、今回のような広範囲にわたった巨大な地震は起こらないとされていました。それなのに現実として起きた。地震を観測して研究するようになってから、はじめて巨大な地震が起こったのです。ボクとしては、岩石力学という研究によって、モノの性質、摩擦の性質を解き明かして説明したい。それには絶対に断層そのもののサンプルが欲しい」

PP(ポールポジション)はもらった? 物理特性(Physical Property)分析のフラッグを手にサンプル配分会議にのぞむヒロセさん。(写真提供:JAMSTEC/IODP)
(写真クリックで拡大)
リンさんは採取した岩石サンプルに電極をたくさんつけて実験中。地層にかかっていた力が開放される様子を調べます。(写真提供:JAMSTEC/IODP)
(写真クリックで拡大)