少数言語にまつわる文化を写真で表現する――。この難題に、写真家のリン・ジョンソンは挑んだ。撮影に当たっては、一つの単語やフレーズから想像を広げていくこともあれば、直感に頼ることもあった。

 ロシアのトゥバ共和国では、シャーマンたちがいる施設を訪れた。「人々は、生きていくうえで障害になっている心の悩みを取り除きたいと、ここを訪れます」とジョンソンは話す。

 儀式用の頭飾りをつけたこの女性のシャーマンは、銅の円盤、組みひも、イノシシの牙など、災いを追い払うと信じられている飾りをコートに付けている。

 この写真は、トゥバ語で守護神を意味する「イーレン」という言葉を表現している。

――ルナ・シアー

レンズの裏側

――コートと頭飾りは、トゥバの信仰とどう関連するのですか?

ジョンソン:コートと頭飾りは、シャーマンが儀式をするときに身に着けます。コートに付けた飾りは、地元のものか、その土地にまつわる事物を象徴するものです。

 トゥバの人々は、自然のあらゆる存在と強く結びついています。山や川、世界には精霊が宿っているとされ、そうした精霊と協調して暮らさなければなりません。トゥバ語にはこのような信仰の影響がみられます。迷信と呼ぶ人もいるでしょうが、これが彼らの世界観なんです。

――人々がシャーマンに会いにいく目的は何ですか?

ジョンソン:心が傷ついているときにも行くし、金銭的な問題を抱えているときにも行きます。まるで歯医者や診療所に行くように、シャーマンに会いにいくのが興味深いと思いました。

 シャーマンは儀式以外の時間は事務所で机に向かい、電話の応対をするなど普通の仕事をしています。儀式に使うコートなどは、壁に掛けておきます。

 コートには、力や霊感を呼び起こし、個性を出す役割もありますが、それだけではありません。コートに縫いつけられた飾りには、身を守る役目があります。シャーマンは、助けが必要な人や病人と常に接しています。コートと、銅や黄金の円盤を身に着けることで、自分の身を守っているんです。