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ナショナル ジオグラフィック日本版 2012年7月号

危機にある言語の未来

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  • ジョニー・ヒル・ジュニアは、消滅の危機にある米国先住民の言語、チェメウェビ語の数少ない話し手だ。「鳥の羽が抜けるように、一つまた一つと言葉が失われていくのです」
  • <span>ユーチー語<br><br>「私たちはまだここにいるわ」――マクシーン・ワイルドキャット・バーネット(左)とジョゼフィーン・ワイルドキャット・ビグラー<br>米国オクラホマ州</span><br><br>祖母からいつも「私の家ではユーチー語を話しなさい!」と言われた2人。オクラホマ州サパルパ、ピケット教会の裏手にある祖母の墓地にやって来た。<br>
  • <span>ユーチー語<br><br>米国オクラホマ州</span><br><br>カサ・ヘンリー・ウォッシュバーンはユーチー語を流暢に話せる、わずか4人しか残っていない話者の一人。86歳の今も、毎日16キロの道のりを運転して、自宅から言語センターに通っている。そこでは、子供たち向けのユーチー語教室が開かれている。彼らの中には、ついつい学校で母語を使い、説教を食らうものもいる。ウォッシュバーンの記憶に刻まれた言葉の記録保存に努めるリチャード・グラウンズは、彼を「生き字引」と呼んでいる。
  • <span>フーパ語<br><br>「私の母親の母親もここに住んでいたのよ」<br>――メロディー・ジョージ・ムーア<br>米国カリフォルニア州</span><br><br>彼女は若い頃、自分の部族の言葉を話そうという気持ちをなくしていた。「どうしてフーパ語を習わなくちゃいけないの? フーパ語を話す人はみんな死んじゃったじゃない」。しかし、フーパ語を学ぶことは自分の運命だと感じるようになってからはフーパ語の習得に励み、呪術医としての役割を果たすまでになった。ムーアは、部族が直面する問題を解く鍵は、祖先の物語のなかにあると考えている。
  • <span>カルク語<br><br>「白人の言葉は深いところに届かない」<br>――チャーリー・「レッドホーク」・トム<br>米国カリフォルニア州</span><br><br>彼は呪術医であり儀式を執り行う長でもある。英語は片方の耳から入って反対の耳から出ていき、決して心に触れることはない、とチャーリーは言う。カルク語は、心から生まれ、頭へ届く。カルク語で「愛している」は、「ick-ship-eee-mihni」と言う。「これはとても重い言葉なんだ。もし女性にこの言葉を言ったら、その人と結婚しなくてはならないのさ」
  • <span>ウィントゥ語<br><br>米国カリフォルニア州</span><br><br>先住民の共同体、ウィネメム・ウィントゥのまとめ役をしているキャリーン・シスク。宗教的指導者であり、民族の誇りを支えるウィントゥ語の最後の話し手だ。彼らはシャスタ山を誕生の地とし、麓を流れるマクラウド川に沿った土地の所有権を主張して100年以上にわたって米連邦政府に抗議し続けてきた。土地を失うことは、言語の喪失と密接な関係があると、シスクは主張する。「この土地は私たちの聖地です」
  • <span>ワショー語<br><br>「みんなで座って私たちの言葉でおしゃべりできたらいいわね」<br>――ラモーナ・ディック<br>米国カリフォルニア州</span><br><br>彼女は子供のとき、ロサンゼルス郊外のスチュワート・インディアン・スクールへ送られることを拒否した。その学校で話していいのは英語だけだったからだ。
  • <span>ワショー語<br><br>――ハーマン・ホルブルック<br>米国カリフォルニア州</span><br><br>彼は、2011年9月に亡くなるまで、ワショー語を守ろうと懸命な努力を続けた。数千年にわたって祖先たちが歩いてきたパインナット山地を歩きながら、この場所が自分にとってどういう意味を持つのか、ホルブルックは説明した。ワショー語で「Dik’ Ma:sh di ma:sh」は、我が松の実(パインナット)の地、我が顔、という意味だ。
  • <span>トゥバ語<br><br>ロシア<br>話者の数<br>23万5000人<br><br>ソンガール<br>[ songgaar ]<br>後ろに戻る  |  未来<br><br>ブルンガール<br>[ burungaar ]<br>前に進む  |  過去</span><br><br>トゥバの人々は、過去は自分たちの前にあり、未来は背後にあると考えている。博物館の前にある遊具で遊ぶ子供の未来は、その背後にあり、まだ見ることはできない。
  • <span>トゥバ語<br><br>エゼンギレール<br>[ ezenggileer ]<br>あぶみに足を掛ける  |  乗馬のリズムで歌う</span><br><br>トゥバの牧畜民の伝統的な喉歌(のどうた)、ホーメイの歌い方の一つ。馬にまたがって平原を疾駆する躍動的なリズムを連想させる、独特の調子をうまく表現した言葉だ。
  • <span>トゥバ語<br><br>ヘイ アト<br>[ khei-àt ]<br>空気の馬  |  内なる聖域</span><br><br>馬頭琴で「馬の歩み」を表現しながら、ホーメイを歌うアイハーン・オオルザク。体の奥底から複数の音を響かせて声を出すが、その音の源は「空気の馬」と呼ばれる。
  • <span>トゥバ語<br><br>ホジ・ウゼーリ<br>[ khoj özeeri ]<br>羊を屠る儀式</span><br><br>トゥバの人びとの羊の殺し方はこうだ。まず羊の胸部に切り目を入れ、そこから中に手を入れ、心臓につながる大動脈を引きちぎる。「khoj özeeri(ホジ・ウゼーリ)」という言葉は、苦痛を与えずに殺すという思いやりの態度と、一滴の血も無駄にこぼさない巧みな技の両方を意味している。
  • <span>トゥバ語<br><br>[ čyttaar ]<br>キスをする・においを嗅ぐ</span><br><br>愛情をこめて、息子サヤンのにおいを嗅ぐオルラン・サット。キスに似た、愛情を表すトゥバ式の仕草だ。オルランは、放牧地に出向く際には息子を馬に一緒に乗せ、一家の所有する600頭の家畜を放牧する方法を教え始めている。
  • <span>トゥバ語<br><br>[ anayim ]<br>私の子ヤギ</span><br><br>生まれたばかりの娘を優しく撫で、「私の子ヤギ」という愛情を込めた表現で呼ぶエイディン・キルギス 。子供が生まれると、丸木造りの小さな住まいで家族全員をあげて祝宴を催す。
  • <span>トゥバ語<br><br>アクビザア<br>[ ak byzaa ]<br>一歳未満の白い子ウシ</span><br><br>トゥバの人びとの生活の中心は、シベリアの大草原でヒツジ、ヤク、ヤギを育てることだ。このため、家畜を年齢や性別、生殖力、色などによって細かく呼び分ける。
  • <span>トゥバ語<br><br>[ oktaar ]<br>倒す・テイクダウン</span><br><br>トゥバのレスリングの試合では、最初に片方が倒されたときに勝敗が決まる。足の裏を除く体のどこかが地面に着いたらそれで終わりだ。中心都市のクズルで開催された祭典に参加したバレリー・オンダルとショルバン・モングシュは、伝統の衣装を身に着け、試合前のウォーミングアップをしている。祭典では、車や冷蔵庫、ストーブといった賞品をかけて、250人以上の参加者が競い合う。ときには、組み合ったまま、何時間も試合が続くこともある。
  • <span>トゥバ語<br><br>アーチュシタール<br>[ artyštaar ]<br>セイヨウネズを燃やす  |  浄(きよ)める</span><br><br>トゥバの浄めの儀式。死者が出た家にシャーマンが赴き、セイヨウネズの葉を燃やして煙で汚(けが)れを払う。芳香が部屋に立ちこめ、遺族は自分たちを守ってほしいと精霊に祈る。
  • <span>アカ語<br><br>インド<br>話者の数<br>1000~2000人<br><br>トラヅィ<br>[ tradzy ]<br>黄色い石のビーズの首飾り</span><br><br>アカ語には、ビーズを表す言葉が26以上もある。ビーズは単なる装身具というだけでなく、地位の象徴であり、通貨にもなる。この女の子は嫁ぐ日にビーズの首飾りを受け継ぐことになる。
  • <span>アカ語<br><br>ショボトロ ヴェ<br>[ shobotro vyew ]<br>花嫁方へ支払う金額を棒で計算する</span><br><br>花婿が花嫁の両親に婚資(こんし)として支払う金品を竹の棒を使って交渉する。花婿側が申し出た額に対し、花嫁の親はさらに希望を突きつける。棒をやりとりし、何カ月も交渉が続くことがある。
  • <span>アカ語<br><br>[ chofe gidego ] 肝臓を調べる</span><br><br>結婚の際には、野牛を殺し、その肝臓で将来を占う。儀式が終わるまでは、正式に成立したと見なされない。今回下された判定は、「小さな斑点が1つあるので2人の未来に1つ災難が起こるかもしれないが、あとは幸せな生活を送れる」というものだった。
  • <span>アカ語<br><br>ニチェレ ヌッゴ<br>[ nichleu-nuggo ]<br>村の相談役  |  賢い、思いやりがある、寛大な</span><br><br>8人の妻と26人の子を養い、村に数軒しかないコンクリート造りの家に住むゴバルダン・ニマソウ。彼は裕福であるだけでなく、謙虚で賢い人間を意味する「ニチェレ ヌッゴ」と呼ばれる。
  • <span>アカ語<br><br>[ mope ay ]<br>母なる毒</span><br><br>インド北東部のパリジー村では狩りが制限され、獲物となる大きな動物も死に絶えているが、アカ族の狩人たちが使う武器は、いまだ神秘的な雰囲気をまとっている。「mope ay」とは、矢先に塗る毒として使われる植物を指す。
  • <span>アカ語<br><br>[ labber oogo ]<br>撃つためのゴム</span><br><br>8歳のビシャル・ランダソウが首にかけているパチンコは、先祖たちがトラを殺すのに使った毒矢に比べるとだいぶ威力が弱い。アカ語の「labber」は英語の「rubber(ゴム)」から来ている。
  • <span>アカ語<br><br>[ ayay ]<br>ママ<br><br>[ chulai ]<br>メンドリ</span><br><br>インド北東部のパリジー村から1時間の場所にある自宅の戸口で2歳の息子を抱いて立つ、ギアムン・ヤメ。メンドリの入ったかごは、釘で壁に固定されている。
  • <span>セリ語<br><br>メキシコ<br>話者の数<br>650~1000人<br><br>シアハ キ アッサハ アプトホ キ アンノ アカイハ<br>[ ziix quih haasax haaptxö quih  áno cöcacaaixaj ]<br>喜び・安らぎ・調和をこめた挨拶をする人</span><br><br>よその共同体を訪れる際にとる伝統的なポーズをホスエ・ロブレス・バルネットが見せてくれた。セリ人には、握手や手を振るといった挨拶のしぐさはなく、こうして敵意がないことを表す。
  • <span>セリ語<br>[ iquiisax hipi hacx caap ]<br>一人で存在する霊</span><br><br>かつてセリの人びとは、砂漠でつむじ風が起こったら、それは死んだ人の魂であると信じていた。セリの人びとの大半がキリスト教徒となった現在は、自分たちの周りに霊が存在するという考えは薄れてしまっている。メキシコ北部エル・デセンボケ村の共同墓地にある父親の墓を訪れたマルセラ・ディアス・フェリクスが、スカーフで影を作り、日差しを避ける。
  • <span>セリ語<br><br>ミヴフニ キショー アンタノ ティーシュ?<br>[ Miixöni quih zó hant ano tiij? ]<br>あなたの胎盤はどこに埋まっていますか?</span><br><br>セリの人々が、出身地を聞くときに使う表現。後産(あとざん)で出た胎盤を地中に埋めて砂と灰をかぶせ、石を置く習慣が以前はあった。誰もが自分の胎盤が埋められた場所を知っていたのだ。
  • <span>セリ語<br><br>アント イア ワゴンホーフ<br>[ hant iiha cöhacomxoj ]<br>太古からの教えを受けた人々</span><br><br>イサベル・チャベラ・トレスは盲目で耳も遠いが、今でも伝統的な知恵を伝える語り部だ。欧米の科学者は最近になって、セリの言葉に動植物の貴重な情報が含まれていることに気づいた。
  • <span>セリ語<br><br>エッペム ウィゴーイト<br>[ hepem cöicooit ]<br>オジロジカのように踊る人</span><br><br>シカになりきり、ヒョウタンで作ったマラカスを振って軽やかに踊るホルヘ・ルイス・モンターニョ・エレラ。前ページの祖母チャベラから民謡を教わったように、自分も次世代にシカ踊りを伝えたいと考えている。
  • <span>セリ語<br><br>[ atcz  |  azaac ]<br>親の弟妹の娘 |親の兄姉の娘</span><br><br>この2人の従姉妹同士を表す言葉のように、セリには親類関係を表す言葉が50以上ある。その多くは、性別や親族間の年齢的序列を細かく示すものだ。女性は、父親を指すのに男性とは異なる言葉を用いる。
  • <span>セリ語<br><br>[ xeescl ]<br>砂漠のラベンダー</span><br><br>セリ語で「植物の地」と呼ばれるソノラ砂漠。昔から、砂漠の植物について豊富な知識を持つことは、セリの人びとが生きていく上で非常に重要だった。
  • <span>セリ語<br><br>[ heeno cmaam ]<br>植物の地から来た女</span><br><br>フアニータ・エレーラ・カサノーバのように、薬草を使った治療法や伝統的な儀式に通じている者は、セリの人びとのあいだで大きな尊敬を集めている。エレーラはラベンダー、ヤドリギ、センナを探し、収穫した薬草を頭に載せて家へ持ち帰る。
  • <span>セリ語<br><br>[ caahit ]<br>魚に向かって、食べられるようにと促す</span><br><br>セリの漁師がカリフォルニア湾で魚を捕らえたら、彼らは「魚に向かって、食べられるようにと促す」のだという。フアン・バルネット・ディアスもそうした漁師の一人だ。魚への敬意を忘れないこのような態度は、海の恵みに頼るセリの暮らしをよく表している。数世代前には、湾で漁をする漁師たちは様々な種類の魚やウミガメを山のように持ち帰ったものだった。しかし、商業用の漁船が参入してきた今では、フグやエイで我慢するしかなくなっている。
  • <span>セリ語<br><br>[ ziix hacx tiij catax ]<br>自ら動くもの</span><br><br>セリの人びとは、車のような現代の発明品が自分たちの世界に入って来たとき、スペイン語をそのまま取り入れるのではなく、自分たちの言葉を当てはめることが多い。エリカ・バルネットは、廃車を温室代わりに使い、入り江に植えるマングローブを育てている。
  • <span>セリ語<br><br>[ caasipl ]<br>印を刻む者</span><br><br>ロレンソ・エレラ・カサノバが、お金にもならないのに、なぜ書くこと、セリ語でいうところの「印を刻む者」になることを選んだのか、ほかの者には理解できない。しかし、セリの人びとのもとに言語学者がやってきて、セリ語初の辞書を作る手助けをしたとき以来、ロレンソは少年時代に祖父が語ってくれた話をすべて記録することに取りつかれているのだ。
  • <span>セリ語<br><br>[ hihipon ] <br>私の声</span><br><br>メキシコ北部のプンタ・チュエカ村に住む10代の少女、デボラ・アナベル・エレラ・モレノには、頑固なところがある。デボラは、「Cmiique Iitom」と呼ばれるセリの言葉を書くことを学び、自分の声(意見)を見つけようとしている。学校は中退してしまったが、将来は教師になる夢を抱いて、独学で読み書きを学んでいる。

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写真は浮遊性のホンダワラ属の海藻、サルガッサムですが、この名前の由来となった果実は何でしょう。

  • ブドウ
  • サクランボ
  • ザクロ

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