短い夏がやってくると、ロシアの人々が向かう場所。それは、菜園付きの簡易別荘「ダーチャ」だ。

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ロシア 菜園で過ごす夏

短い夏がやってくると、ロシアの人々が向かう場所。それは、菜園付きの簡易別荘「ダーチャ」だ。

文=キャシー・ニューマン 写真=ヨナス・ベンディクセン

 ロシア人の3人に1人が所有するというダーチャは、夏を過ごす別荘というだけでなく、家族の絆を深め、畑仕事に精を出す場所でもある。電気や水道がないのは当たり前。短い夏にダーチャで野菜をせっせとつくり、長い冬に向けて食料を蓄える。旧ソ連時代には、ロシアの野菜の約90%がダーチャの菜園で栽培された時期もあった。

 白夜に遅くまでボール遊びをしたこと、松ぼっくりを集めたこと、トウヒの森に囲まれた冷たい池で泳いだこと……。ロシア人には必ずダーチャにまつわる思い出があるという。ダーチャ地区の自治会長を務めるタクシー運転手、経理の仕事を辞めて引退生活を送る女性、小説『ドクトル・ジバゴ』を執筆した作家のボリス・パステルナークなど、さまざまな人々の物語を描きながら、ロシア独特の文化、ダーチャの魅力に迫る。

編集者から

 ナショジオはインフォメーション(情報)ではなく、ストーリー(物語)を伝える雑誌なのだと改めて感じた――。翻訳を担当した本誌のベテラン翻訳者が、こんなことを言っていました。この言葉どおり、特集で描かれているのは、主にロシアのふつうの人たちの物語です。読み終えたあと、ほんのりと温かい気持ちになります。

 撮影は、写真家集団「マグナム・フォト」に所属するヨナス・ベンディクセンが担当しました。2011年5月号「沈む国土に生きる」など社会派ドキュメンタリーを得意とする彼ですが、のどかな夏の風景を切り取った今回の写真も魅力的です。じっくり見てみると、いろいろな発見がありますよ。1枚目の写真で、水に飛び込む女性が鼻をつまんでいるのに気づいたのは、編集を始めてずいぶん経ってからのことでした。(編集T.F.)

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