第1回 「大型なのに羽毛をもつ恐竜」のなぜ?

ユティラヌスの化石の全体像(写真提供:世界最大 恐竜王国2012)
(写真クリックで拡大)

 まず驚いたのは、化石の大きさでした。それまで遼寧省では、羽毛のある恐竜化石はたくさん発見されていましたが、それらはいずれもごく小型のものばかりでした。しかし、この恐竜は非常に大型で、推定体長は9メートルにも達しました。しかも、その脊椎に沿って、はっきりと羽毛の跡が残っていたんです。

 それまで一般に、小型恐竜には羽毛があっても、大型になるとそれはなくなってしまう、と考えられていましたから、これほど大型の恐竜に羽毛があったということが何よりも意外だったんです。

――なぜ羽毛があったのでしょう。寒さから身を守るためでしょうか。

 恐竜以外の動物でも、種類によって毛が生えたり生えなかったりしますし、毛が生える原因もバラバラです。アフリカにいるゾウは毛がありませんが、マンモスには立派な毛皮がある。これは、寒さに対する適応と考えてまず間違いありません。多くの恐竜に羽毛があったのは事実ですし、同じく寒さに適応したものもいたでしょう。

 ただし、大型の恐竜で羽毛が生えることの意味についてはまだよくわかりません。大型恐竜は、体が大きいというだけで体温が逃げにくく、保温のための羽毛は必要ないというのが一般的な考えかたでしたから。