地球の富を再確認し、人類共通の未来を築く場に

 また、電力使用のピークタイムは地球の自転とともに移動していくので、東西に大陸横断的に送電ロスなしの電力網でつなげば、日本のピークタイムには電力がまだ余っているアジア諸国から融通してもらい、夜は逆に送ればいい。谷川俊太郎さんの詩「朝のリレー」にあるように、“経度から経度へと”電力や太陽の恵みをグローバルに融通すればいいのです。こうすることで「地球大のピークシフト」が可能になるのです。

新たな文明の「地球基準」

 とはいえ、発電源が再生可能エネルギーに転換したとしても、エネルギーや資源を大量消費する20世紀型の文明の本質が変わらなければ、地球環境への負荷はなくならない。そこで資源削減型の技術やライフスタイルが重要になります。すでに断熱性能の高いビルや住宅、超節水型の都市システム(水消費を5分の1にするトイレやバスも日本で開発中です)、原発事故後にみられた「節電のウェーブ」や「電気の質を選ぶ」といった動きも重要でしょう。

 しかし、より根本的な変革のコンセプトは、「生命に学ぶ」ことではないかと私は考えます。ここに地球サミットが20 年前に提起した「生物多様性」の重要性が改めて浮かび上がってきます。

 20世紀の文明は、世界をみる「科学の窓」が未熟だったゆえに、人工が自然を凌駕し、代替しうるという錯覚を抱いていました。しかし現在、ナノレベルの視野と複雑系などシステム科学の進展により、人工物が生命システムにまだまだ及ばないことも明らかになってきました。

「リオ+20に寄せて:竹村真一さん(文化人類学者)」最新記事

バックナンバー一覧へ