木立のすき間から、銀色の湖面がちらちらとのぞいています。ニュートン湖の湖畔までもうすこしのようです。
水際までやってくると、いっきに視界が開け、目の前にはふたたび静かな湖面が広がっていました。
<ふう、やっとついた……>
汗を拭いて、呼吸を整えたのもつかの間、キャンプに残してきた荷物が心配になってきます。誰もいない間にクマにとられたり、リスに穴をあけられたりしたらたいへんです。
手ぶらで、来た道を足早に引き返すと、あっというまにキャンプにつきました。400メートルしかないので当たり前ですが、重いカヤックを運んだ後だと、こんなにも近かったのかと驚きました。
荷物は無事、置いた場所にそのままの形でありました。
今度は防虫ネットを頭からかぶり、まるでハチミツでも取りにいくような格好になりました。
そして、ぎっしり荷物をつめたリュックを背負い、真ん中から二つにばらしたパドルを両手にもって、再びポーテッジを歩きます。