翌朝目覚めると、雷がゴロゴロと鳴り、雨が降っていました。
9時頃になってようやく雨が止み、荷物をまとめていると、1匹のウサギがキャンプ地の外れを、ぴょんぴょんと走りすぎるのが見えました。
体は茶色。目がくりくりとした、大きさもごくふつうの野ウサギです。
地面に顔を近づけてもぞもぞしているところを見ると、下草でも食べているのかもしれません。
ぼくがじっとみていると、こちらの視線に気がついたのか、ウサギは森の中の茂みの奥へ、いちもくさんに走り去っていきました。
野生動物は、ぼくに何かを話しかけてくるわけではありません。でも、視界に入ると、どうしても目が離せなくなるのはなぜなのでしょう。
ウサギが生きている。
それは、裏を返せば、ウサギが生きていけるだけの自然があるということ。