第26回 ポーテッジを越えて 前編

 なんとか歩くことはできるのですが、肩の片側だけにかけて歩くのはバランスが悪く、体を傾けて重心を取る必要が出てきます。

 腰の負担が大きくて、このまま一気に全部を歩くことはできません。そこで、100メートルおきぐらいに、カヤックを地面に下ろしてひと休みすることにしました。

 休んだあとは反対の肩にかけて運ぶ……、それを交互にくりかえしながら、ポーテッジの向こう側に待ち受けるニュートン湖をめざしました。

 雨上がりのせいか、それとも、森の中は風通しが悪いからなのか、ポーテッジを歩いていると、蚊が多く飛んできて困りました。

 両手が自由にできないので、払いのけるのにひと苦労です。

 頭を振りながら蚊の攻撃をかわし、カヤックを下ろして休んでいる間も、気になって仕方がありません。

 しかも、面倒なのは蚊だけではありませんでした。体長5ミリほどのちいさなアブが、しつこくまとわりついてくるのです。