第46回 大使夫人のオレンジケーキ(チュニジア大使館・中編)

 今回は、チュニジア大使館の厨房にお邪魔するところから探検を開始しましょう。

 厨房で腕をふるうのはバハドール・チェトリさん。ネパール出身のシェフだ。ネパール?と最初はびっくりしたが、チュニジア大使夫人のモニア・カスリさんが赴任先のネパールで出会ってからというものその腕に厚い信頼を寄せ、長年大使夫妻の赴任先でシェフを務めてきたのだそう。ネパール人シェフでありながら、モニアさん仕込みのチュニジア料理のプロというわけだ。

 早速教えてもらったのが、前回ご紹介した「ウェドニン・エル・カディ」、つまり「裁判官の耳」と呼ばれるお菓子の作り方だ。

 まずは生地作り。叩くようにしてよく混ぜた全卵に塩をひとつまみ入れ、そこに小麦粉を入れてよく練る。それから、乾燥しないよう生地をビニールでくるんでしばらく寝かせておく。こうすることで、ウェドニンに必要な紙のように薄い生地を作ることができるのだそうだ。