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 宇宙天気予報の業務は、人工衛星の運用者や、様々な関係者に情報を提供するサービスとしての側面と、太陽活動に源を発した「宇宙天気」を深く知り、より正確な予報をするための研究、という2つの顔がある。

 地上の天気予報なら、確立した数値予報モデルをもとに日々、観測し、予報をし続ける「現業」と、最新の気象観測技術やさらに洗練された数値モデルを考える研究業務は、ほぼ完全に分離しているのだが、ここではそこが未分化で、「予報すなわち研究、研究すなわち予報」といった印象がある。

 長妻さん自身が、目下、研究者として取り組んでいるテーマは、地球の放射線帯の予測モデルだそうだ。

「宇宙天気予報は、地球上での気象予報と比べると50年ぐらい遅れているといわれています。一番大きな違いは数値予報の実用化です。数値予報の試みは、我々のグループでもやっているんですが、それを実際に実用として情報提供するところまではいっていません。シミュレーションで予想したものと、実際の観測とを比較して、合ってる・合ってないとかを調べている段階で、気象で使っているほどの成熟度には達していないんです」

2012年6月号特集「太陽嵐の衝撃」
本誌では宇宙天気予報の対象である太陽嵐の最前線をレポートしています。フォトギャラリーもあるWebでの記事の紹介はこちら。ぜひあわせてご覧ください。

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