第5回 巨大津波もリアルタイムに検出可能!

 東日本大震災の際、宇宙天気予報のための電離層の観測で、津波による海面の変動で発生した大気の波が電離層まで伝わり、水紋のように拡がっていく様子がはっきりと見られたというのだ。気象庁の津波情報は、基本的には「予報」であって、少なくとも初動では、津波の「波」が検知されているわけではない。それが、間接的ではあるけれど、電離層のリアルタイムの観測で、まさに津波の発生時点からの動きを捉えられていた、という。

「GPSのデータを使って電離層の電子密度を調べている研究者が、我々のチームにいるんですね。その研究者が、3月11日の大地震の後、電離層の変動をあらためて調べてみたら、地震が起こった時刻から始まって、水紋のような波が伝わっていく様子がはっきり記録されていたんです」

 海面の動きが非常に大きいと、その影響が大気のさらに上層にある電離層に伝わり、電子の密度変化として検出できるというのは驚きだ。大きな津波なら、なおさらはっきりとわかり、予報ではなくリアルタイムの発生情報として活用できる。長妻さんの研究室では、GPSデータのリアルタイム収集や、電離圏の変動から津波発生を検出する研究が新たに立ち上がりつつあるところだという。

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