コッヘルで米を炊くこと。
それは、ぼくがワンダーフォーゲル部で学んだなかで、とても大切なことのひとつです。
電気炊飯器がなくても米と水とコッヘルさえ持ち歩けば、火をおこすだけで、どこでも主食を手に入れることができるのです。
電気につながれた世界の外側でも生きていける自信が湧いてきて、大げさかもしれませんが、すばらしい自由を手に入れた気がしました。
沸騰したコッヘルを15分ほど直火から離し、弱火にかけていると、吹きこぼれる音もだんだん小さくなってきました。
やがて、湯気のなかにかすかなおこげの香りが漂うと出来上がりです。
久しぶりにコッヘルで炊いた米は、水加減を間違ったのか、すこしやわらかくなってしまいました。
けれど、キャンプで食べる白ごはんの味は格別でした。