食べているところや寝ているところなど、「動物たちの『幸せの瞬間』を写しとどめる」ことをライフワークにしている。本誌2012年6月号「写真は語る」では、親子が一緒にいる幸せの瞬間を紹介した(写真を追加して上のフォトギャラリーに掲載しています)。

 撮影にはたっぷり時間をかける。「動物と『だるまさんがころんだ』をやるようなものです」
 たとえば知床のエゾシカを撮る場合。最初は相手が警戒してじっと見ているので、こちらは素知らぬフリ。相手がリラックスした瞬間、少し近づく。逆に緊張したら、止まって待つ。その繰り返しでじわじわと1メートルもない距離まで近づき、カメラに収める。
 「撮り尽くした後、シカの隣で昼寝したこともあります」

 1965年生まれ。テレビの中の写真家「池中玄太」に憧れ、高校1年生の時にツルを撮影しに北海道へ。以後、毎年通うようになる。大学を出て就職したものの、冬の朝にツルが白い息を吐く様子などを想像してしまうと、いてもたってもいられず、1年で会社を辞め、写真家になった。

 いま、撮影に通うのはオオサンショウウオ、ニホンリス、ニホンザルなど。年間7~8カ月は撮影に出掛ける。「自然の中にいる生きものにカメラを向けているのが好き。飽きない。どうしたら幸せの瞬間を見届けられるのだろうと試行錯誤するのは、ぼくにとって遊びの延長なんです」

 アメリカのNature’s Best International Photography Awardsで動物写真部門の最優秀賞を受賞、BBC Wildlife Photographyにも入賞している。本誌英語版2008年7月号には、密集するニホンザルの写真を提供、世界に紹介された。

『ナショナル ジオグラフィック日本版』2012年6月号「写真は語る」に、写真を追加して掲載した。