第3回 やったね、サニーさん! 断層深度探索作戦

海洋科学掘削における掘削パイプ長の世界記録(7768.5 m)を樹立した立役者のドリルビット。ボロボロになりながらも無事に船上に帰還、わたしには輝く王冠に見えました。写真提供:JAMSTEC/IODP(写真クリックで拡大)

 みなさんこんにちは。今回も「ちきゅう」船上から航海の様子をお伝えしていきます。前回は、海底下850.5mまでの掘削に成功し、地球内部の物理データを取得できたこと、おまけに海洋科学掘削における掘削パイプ長の世界記録(7768.5 m)まで樹立した、というところまでお届けしました。

 とはいえ、何も世界記録をつくるために掘削しているわけではありません。航海最初の大きな目的は、あの大地震でできた断層がどのくらいの深さにあるのかを調べることです。これまでの調査で、この船の真下に何人か断層帯容疑者がいることはわかっているのですが、正確な深さはよくわかっていません。深さが判明してはじめて、最終目的である断層の温度調査や岩石のサンプル採取にチャレンジできるわけです。

 そこで「ちきゅう」では、「掘削同時検層(LWD)」という計測技術を用いて、掘削を進めながら、お目当ての断層がどれほどの深さにあるのかを探り当てようとしました。LWDって何よ?と技術に興味津々な方は、その道のプロ、乗船研究チームのサニーさんが書いたレポートもぜひ参考にしてください。

 ここでは、具体的にどんなデータを取得して、どうやって断層の深さを割り出そうというのか、そしてその作戦の顛末は?というところをご紹介しましょう。

船上のドリルパイプが1分間に160回転し、7km下のドリルが地層を削っていきます。ときおり、パイプが擦れて火花が立ち、轟音と振動が船内に響きます。
写真提供:JAMSTEC/IODP(写真クリックで拡大)
ただ科学データを得るためだけに、ドリリングエンジニアは昼夜を問わずに掘削を続けます。全オペレーションを取り仕切る船上代表のサルハシさん(赤のつなぎがカッコいい)は、いつ寝ているのだろう? 写真提供:JAMSTEC/IODP
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