フォール湖からニュートン湖までは川でつながってもいるのですが、そこは流れの速い瀬になっていて、カヤックを漕いで進むことはできません。

 ポーテッジの入り口のすぐわきには、平らな広場があり、地図を見ると指定キャンプ地を示す赤丸がついていました。

 <まだ早いけど、今日はここで泊まることにしよう。>

 直線距離でいえば、今朝出発したところから北にたった1マイルしか進んでいませんが、ここなら他の旅人と出会う可能性も高く、食糧を木に吊すためのロープが分けてもらえるかもしれないと思ったのです。

 小雨が降る中、テントを張り終えると、シマリスが空けた穴の修理をすることにしました。このままでは、今夜の蚊の襲撃にとても耐えられません。

 救急箱から裁縫道具をとりだし、蚊よけのネットの網目に糸を通して、破れた穴の端をたぐりよせて結びました。

 入り口のジッパーがすこしきつくなってしまったけれど、なんとか大丈夫そうです。

 そうこうしているうちに雨はすぐに上がり、今度は晴れ間がのぞいてきました。まるで山の上にでもいるような、めまぐるしく変わる天気です。

 やがて、期待した通り、ポーテッジの奥から人が歩いてきました。

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