第5話  地球微生物学よこんにちは

その2  「生命は地震から生まれた!」仮説に挑む

ちきゅう船内の研究者ミーティングを度々サボるのを研究支援統括のノブに見つかりお灸を据えられるワタクシ(という設定で研究者ミーティングにて紹介されたが、実は単にブラッシング萌えなワタクシ)。
(提供:JAMSTEC/IODP)

化学物質の発生がわかったきっかけは、1979年に兵庫県南部で起きた山崎断層群発地震でした。この群発地震の震源となった山崎断層で、周辺の土に含まれるガス成分を測定した研究チームがいました。東京大学理学部附属地殻化学実験施設の研究グループです。その結果、地震が起きる前に比べて、起きた後に土壌ガスの水素の濃度が異常に上昇していることを発見し、サイエンス誌に発表しました。

その後、同じ研究グループによって、「断層運動(ほぼ地震と言ってもいい)による岩石破壊によって岩石のケイ酸結合が切断され、ケイ酸ラジカルが形成されたあげく、ラジカル反応で水が分解されて水素ができるのだ」という学説が提唱されました。

反応の詳細はともかく、「岩石が破壊されると周りに存在する水から水素ができる」という現象がけっこう普通に起きている可能性が知られるようになったわけです。

その後、アメリカ合衆国カリフォルニア州南部から西部にかけて約1300kmにわたって続く巨大な断層=サンアンドレアス断層の地下でも、断層運動によって大量の水素が発生しているという観察結果が得られました。そして、地震と水素の密接な関係は、一部専門家の間では通好みのネタになりつつある状況でした。