第5回 平凡な千枚より傑出した1枚を

――なるほど! で、首尾よく撮影できたわけですね。

 ところが、思ったほどスムーズには行きませんでした。

 まず2日後にチェックしにいくと、写っていたのは巨大なネズミだけ(笑)。それはそれで興味深かったものの、ねらった被写体ではないので、さらにセッティングを工夫して、なるべく警戒心をもたれないように10日間ほどカメラを放置してみました。そうしたら撮れていたんです。これもストロボを3つ使いました。

――夜なんですか? 昼の写真みたいですけれど。

(写真クリックで拡大)

 キノボリカンガルーも夜行性なんです。このときはだいぶ遠くから、背景だけを照らすのに1灯を使いました。でないと、うしろが真っ暗なだけなので。ほかは左右1灯ずつ置いて、3次元的に、よりナチュラルにキノボリカンガルーが見えるようにしてみました。

――本当に自然に見えますね。なんだかちょっとオトボケ気味のカメラ目線はどうしてですか?

 3回連続でシャッターを切ったからです。これは2回目に光ったときの写真です。最初にストロボが光ったのを見て、キノボリカンガルーが「何が起こっているんだろう」と立ち上がるように見回した様子です。