第3回 その一瞬に、胸は高鳴る

 翌年は1年間、ボルネオの熱帯雨林で研究をしながら写真を撮りだめて、また同じ編集者に見せに行きました。すると「今度はストーリーを組めるわね」といって、私の写真を使ってくれました。その記事が1997年4月号の「ボルネオの不思議なイチジク」です。

 おまけに、記事の掲載と同時に、妻が研究していたオランウータンの写真を撮影することも決まりました。これは編集部のほうから依頼された最初の仕事です。妻も研究者で、私と一緒にボルネオに滞在して研究をしていたんです。

――ご夫婦で熱帯雨林で研究をされていたのですか。ところで、ティム・レイマンさんはそもそも熱帯雨林のどこに魅力を感じたのですか。

 熱帯雨林は生きものの多様性が豊かなんですよ。動植物の種類がとても多く、それを実際に見て、体験してみたかったんです。博士号をとる以前の1987年から1年間、研究アシスタントのボランティアでボルネオに滞在したことがあるぐらいですよ。

――いろんな生きものがいるなかで、「これは撮りたい」と思った生きものは他にもいましたか。

 ボルネオで観察を始めたばかりの頃、高い木のはるか上の方をサイチョウが飛んでいるところを目撃したんです。そのときに「すごい。いつかこの鳥を撮影してみたい」と強く思いました。それはボルネオの熱帯雨林に通いはじめた頃からの夢といっていいかもしれません。