第2回 「これは本当にいい写真なのか」

――『ナショナル ジオグラフィック』はいつ頃知ったのですか。

 両親がずっと購読していました。すごく気に入っていて、子どもの頃からいつも家にありましたよ。

――その『ナショナル ジオグラフィック』で仕事をするようになったいきさつを教えてください。

 最初につながりができたのは、実は研究を支援する部門でした。ハーバード大学で博士号を取るにあたって、ボルネオ島の熱帯雨林をリサーチしようとしたときに、ナショナル ジオグラフィック協会の研究助成金制度を知って申請してみたんです。1990年から申し込んで、91年、92年と連続で助成金を得ることができました。

――まずは研究者として接点ができたと。

 そうです。で、助成金を得ると、「興味深い結果が出たら、雑誌に掲載する可能性があるから連絡してください」という通知がきます。そこで「私はずっと自分の研究の写真を撮っているんですが、『ナショナル ジオグラフィック』にとって興味深い記事になるかもしれません。ご覧になりませんか?」と研究プロジェクト部門を担当している女性の編集者にもちかけてみました。

――どんな反応でしたか?

 「私たちはたくさん科学者を知っているけれど、皆、たいしたカメラマンじゃないのよね。やっぱり科学者だから」と言われました。それでも、「もしあなたが十分な作品だと思うなら、ワシントンに来て見せてください」というので、知り合いのカメラマンのアドバイスも受けながら、40枚のスライドを厳選してワシントンに行きました。1993年のことです。

――ドキドキですね(笑) そのてんまつは次回に聞かせてください。

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つづく

ティム・レイマン(Tim Laman)

18歳まで日本で暮らし、山や海で多くの時間を過ごしたことで、自然に深い興味を抱くようになる。ハーバード大学で生物学の博士号を修得。ハーバード大学鳥類学研究室の研究員も務め、熱帯雨林と鳥類の生態に関する多数の論文を発表。世界各地の秘境を訪れ、科学的なデータを収集しながら写真を撮影している。北米自然写真協会「優秀写真家賞」(2009年)、BBCワイルドライフ・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー賞入賞(1998,2001、2002、2005年)、ピクチャーズ・オブ・ザ・イヤー賞入賞(1998年)、ネイチャーズ・ベスト写真賞入賞(2001、2003、2006、2009年)など。写真家ティム・レイマンを紹介するページはこちら。