第2回 「これは本当にいい写真なのか」

――その後、ハーバードの大学院で生物学の博士号をとられるわけですが、一方で、写真への興味も早くからお持ちだったのでしょうか。

 はい。中学生のときに父親が古いカメラをくれたんです。高校生のときにはすでに自分のカメラを買って、ハイキングや登山の写真をよく撮りました。そのときはまだ野生動物の写真ではありません。ワイルドライフの写真を撮りはじめたのはアメリカの大学に入ってからです。

――生物学は学校で学ぶとして、写真はどこで学ばれたのですか。

 すべて独学です。学校に通ったり、誰かのアシスタントをしたりした経験はありません。

――それはすごい。

 10代の頃から『ナショナル ジオグラフィック』に興味があったので、大学院時代にインドネシアの熱帯雨林へ行ったときに撮影してみたんです。すごく難しかった。でも、数カ月以上インドネシアに滞在しては撮影をして、アメリカに戻ってきたら自分の写真とナショジオとを見比べる。いろんな本も読む。そういうことを繰り返しているうちに、「これは本当にいい写真なんだろうか。よい写真でないとしたら、いったい何が違うのか」と、自分の写真を批判的に見られるようになったことが、私にとっては非常に重要なプロセスだったと思います。

「これは本当にいい写真なんだろうか。よい写真でないとしたら、いったい何が違うのか」と自ら問うことが重要なプロセスだった。(写真クリックで拡大)