野生のイリオモテヤマネコの写真で知られる自然写真家だ。西表島をホームフィールドに、ボルネオ島やコスタリカなど世界の熱帯雨林にも足を延ばし、生きものや自然を撮影している。

 ナショナル ジオグラフィック日本版2012年5月号「写真は語る」に、沖縄県、西表島の水辺に一夜だけ花を咲かせるサガリバナの写真を掲載。上のWebフォトギャラリーでは、加えて本誌に掲載されなかったサガリバナの写真ほか、西表島とボルネオ島をテーマにした生きものや自然の写真25点を掲載した。

 駆け出しのカメラマンだった20代のころ、植村直己の著書を読み、感化された。自分が納得できる仕事を・・・と考えて出した結論は、「西表島でヤマネコを撮る」ことだった。当時はまだほとんど撮影されていなかったからだ。

 1985年、27歳のときに西表島に移住する。ところがそれから3年間、ヤマネコに遭遇することさえできなかった。
 「むしろそれが良かったんです」
 3年間、山を歩きつくし、ヤマネコの糞を拾って、どの季節には何を食べ、どこを歩いているか、植物と動物、動物と動物のつながりのなかで体得した。
 「それからは面白いようにヤマネコを撮れるようになりました」
 今回のサガリバナも、勝手知ったる西表だからこそ、数週間で撮り下ろせたと言う。

 今は、その方法論を世界の熱帯雨林で実践している。「動物たちが林冠にいるとわかれば、ツリークライミングを一から学ぶ。そうして体得した生きもの同士のつながりを、写真にして伝えたいと思っています」

『ナショナル ジオグラフィック日本版』2011年5月号「写真は語る」に、写真を追加して掲載した。