最終回 渡辺佑基「上陸、生ガキ、そして次の冒険のはじまり」

 船内での入国審査を済ませるや否や、待ってましたとばかりに友人たちと街に飛び出した。脱兎のごとくフィッシュマーケットに直行である。この数カ月間、ぷりぷりの新鮮な魚介類をどれだけ夢見てきたことか。しかし危ないのが道路の横断。びゅんびゅん飛ばす車を見るのも4カ月ぶりなので、まごついてしまい、渡るタイミングがつかめないのである。ほとんど現代にタイムスリップしてきた原始人といってよい。

 そうしてついにたどり着いたフィッシュマーケット。はやる気持ちを抑え、新鮮な生ガキを大皿いっぱい買い込む。そういえばお金を使うのも4カ月ぶりで、貨幣価値などよくわからないけれど、まあいいか。さんさんと照る太陽の下、皿全体にレモンを絞り、ぷりぷりの身ののったカキの殻をひとつ手に取って、ちゅるりと吸い込むように一口で平らげる。さらに間髪おかずにビールをうぐうぐと飲み下す。はあ~!! この4カ月間、冷凍品ばかりを食べ続けた口なんて、とろけてしまうほどうまかった。

カキを前にして記念写真!(撮影:渡辺佑基/協力:ニコンイメージングジャパン)(写真クリックで拡大)