第3回 ついにわかった仮面結社の秘密とは

 吉田さんが調査のために住み込んだザンビア東部、チェワの仮面は、主に葬儀に関わる局面で登場する。といっても、亡くなった人を埋葬する際にはキリスト教の方法が浸透していて、今では仮面の出番はない。農閑期である乾季に、死者の魂を送り出す喪明け儀礼「ボナ」の際に、仮面が大活躍するのだという。ボナの儀礼は大がかりで、開催だけでも1週間、準備期間も含めたら優に3週間はかかるものだという。

 仮面結社に属さない「女性と子ども」(そして、当初の吉田さん)にしてみると、それはこんなふうに映る。

 まず、ある夜にかがり火が焚かれ、広場で何組かの仮面をつけたニャウが、女たちの合唱にあわせて踊る。この際、ニャウはあくまでニャウであり、「誰かが仮面を被っている」のではない、と認識される。村のニャウの指導者が「明日からは、女は村でトウモロコシをつき、男は森でダンブヴェを開く」と宣言する。これが儀礼の開始の宣言となる。

 ダンブヴェとは、儀礼に登場する重要な「かぶり物」ニャウ・ヨレンバ(これも仮面の一種である)を作る秘密の場所のことだ。「女性と子ども」は、ニャウ・ヨレンバを「水から釣り上げる」と説明されているそうだ。

2012年4月号特集「生き続ける仮面の魂」
本誌でもアフリカの仮面の特集を掲載しています。フォトギャラリーもあるWebでの記事の紹介はこちら。ぜひあわせてご覧ください。