第18回 田邊優貴子「ただいま! そして、さようなら」

昭和基地の名所その1。南極点や北極点などの方向と距離を示す看板。(写真クリックで拡大)

 いわゆる普通の人間社会・文明とはあまりに違う南極という世界に長くいたせいで、街の生活に適応できないことや、俄然やる気が出てこないことを、私たちは南極病と勝手に呼んでいます。帰国から1カ月~半年くらい、ほとんどの隊員がこの“病”にかかるんですよ、本当に。人によっては1年経っても治らないという話もよく聞きます。

 私など、道端で見つけたネコを触るために、自然と地面に寝転んでしまったりするのですが、道ゆく人々の奇妙な視線を感じてハッと我に返ることも何度かありました。

 さて、話を昭和基地最後の夜に戻しましょう。

 2012年2月18日に私は野外生活を終えて昭和基地に入り、3日間過ごしたのち、2月21日に昭和基地をあとにしました。

昭和基地の名所その2。道路沿いにペンギン飛び出し注意の看板などがある。(写真クリックで拡大)