第2回 割礼か、むち打ちか

 ザンビア東部に住むチェワの人々は、男たちの仮面結社による、葬送の儀礼(正確には、喪明けの儀礼)での舞踊で知られる(「グレワムクル」としてUNESCOの世界無形遺産にも登録されている)。

 農閑期にあたる乾季に、その年に亡くなった人たちの魂を送るための儀式が行われ、そこで男たちは、ニャウ、ニャウ・ヨレンバに扮して、死者の葬送の役割りを担う。

 大切な点は、この結社が、いわゆる秘密結社であって、入会の儀式を経た男性でないと詳細を知り得ないことだ。どのように「かぶり物」であるニャウ・ヨレンバを作るのか、そもそもニャウが本当は男性が扮したものであるとかといった事実は、村の中では隠匿されており、メンバーだけが共有する。

左がニャウ。仮面をつけて精霊に扮した男性。表向きはあくまで人間ではなく、死者の化身とされる。右がアンテロープの一種であるエランドをかたどったニャウ・ヨレンバ。アンテロープや亀など、村の外にいる生き物などをかたどったかぶり物。これも仮面であり、表向きには本物の生き物と見なされる。(写真提供:吉田憲司)(写真クリックで拡大)

2012年4月号特集「生き続ける仮面の魂」
本誌でもアフリカの仮面の特集を掲載しています。Webでの記事の紹介はこちら。特にフォトギャラリーは見ごたえたっぷりです。ぜひあわせてご覧ください。