第6回 好きで嫌いなイソメ、ゴカイ類

イソメとラーメン

 ずいぶんあっちこっちへ、いろんな魚を釣りに行っている。だいたい10人前後の釣り仲間たちと月に1回。半ば仕事になっていて、その行状記を『つり丸』という沖釣り専門誌に連載し、ある程度まとまると『わしらは怪しい雑魚釣り隊』という単行本、文庫本になっている。すでに3冊出た。(マガジン・マガジンおよび新潮文庫)。

 実はこのナショジオのぼくの担当編集者(海人君)もその仲間の1人で、彼はエース級である。海人がくると雑魚以外のものも釣れる。もうあしかけ7年ぐらい日本のあちこちで釣りをしているが、宿泊代をうかせるために焚き火キャンプが主体なので獲物は自炊のおかずになる。雑魚釣り隊だから雑魚でも食える奴は浜鍋のダシにはなるから、たまにカツオやマグロを釣ってしまうとうろたえる。本当にマグロを釣ってしまったことがあるのだ。サバなど岸壁からいちどきに40尾ぐらい釣れてみんなコーフンしてアタマがパーになった。 

 で、今回は、この釣りにからんでの話である。とくに餌関係。

 釣りは好きなのだが、ときおり餌問題につきあたる。つきあたるといってもぼく1人で「つきあたっている」のだが、数ある釣り餌の中でもっとも魚の食いつきがよく、多方面に使われる餌に「イソメ」というものがある。ミミズ体型で体の左右におびただしい数の足がある。でもって伸びたり縮んだりする。体から比較すると頭にかなり大きな隠れ牙があって、口から釣り針を差し込もうとすると体をぐねぐね動かして胴体をこっちの指にからみつかせ、あまつさえ、口からその隠れ牙を出して指に噛みつく。なんちゅういさぎの悪い奴なのだ。