第4回 タイタニックは人類への警鐘である

――ここまで話をうかがって思うのですが、歴史的な大事件で悪役にされたら、その子孫は大変ですね。

 そうですよ。祖父がタイタニックの船上で正しい行動をとったのなら、僕は祖父の生還を誇りに思うでしょう。でも、もし卑劣な行動をとったのが事実だったとしたら、僕はとてもそうは思えないでしょうね。

 それは、祖父の因果を子孫の僕が背負わされるということです。ですから、僕らも子孫に対しては責任があるんだと思います。

――タイタニックが建造された20世紀初めは、欧米で機械文明が花咲いた時代ですね。大衆車の走りであるT型フォードの誕生が1908年。飛行機も1903年のライト兄弟による初飛行以後、急速な進歩を遂げています。

 ある意味、タイタニックは象徴的で、人間の驕りを諭されたような事件ですね。人間は科学技術を優先させることで、傲慢になってしまう。

 当時、不沈客船といわれたタイタニックですが、乗員乗客あわせて2200人も乗せながら、救命ボートはその半分余りの人数分しかなかった。ひどいものです。

 何か、最近起こっていることと似ているな。今の日本、救命艇のない国に住んでいるという感じでしょう。

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2012年4月号特集「タイタニック 沈没の真実」
本誌でもタイタニックの特集を掲載しています。フォトギャラリージェームズ・キャメロン「タイタニックの船内を巡る」などもあるWebでの記事の紹介はこちら。ぜひあわせてご覧ください。