第1回 唯一の日本人にして生き残りだった祖父

 僕の両親は洋画好きで、よく映画館に連れていってくれました。家にはSP盤レコードがあって、ハリウッド映画やドイツ映画の主題歌でした。

 母親が好きだった映画に『歴史は夜作られる』(1937年)という作品があるのですが、これもタイタニックの事故をモチーフにしたものです。良い映画で、見た記憶がありますけども。

 最初に、映画を見てからタイタニックと祖父のことを知りましたからね。映画のなかにはラブロマンスも織り込まれているし。

 あの事故が事実で、歴史的なできごとだというのは理解していたのですが、何といいますか、タイタニックのことも、祖父のことも、ずっと映画や物語世界の話のような感覚でとらえているところがありました。

――しかし、実際は、あの事故から生還した正文さんはその後、大変な目に遭います。そのお話を次に聞きましょう。

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つづく

細野晴臣(ほその はるおみ)

1947年東京生まれ。音楽家。69年エイプリル・フールでプロデビュー後、はっぴいえんど、ティン・パン・アレー、イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)等を経て現在に至る。2011年4月、久々のソロアルバム「HoSoNoVa」をリリース。
自身の公式サイト:http://hosonoharuomi.com/
レーベルの公式サイト:http://daisyworld.co.jp/


高橋盛男(たかはし もりお)

1957年、新潟県生まれ。フリーランスライター。自動車専門誌の編集を手がけたのちフリーライターに。JR東日本新幹線車内誌「トランヴェール」、プレジデント社「プレジデント」「プレジデントファミリー」などに執筆。