子どもの頃、舞鶴の海水浴場で泳いでいたとき、引き潮にさらわれて、おぼれそうになったことがあります。

 スイミングスクールに通っていたので、泳ぐのは苦手でもなかったのですが、潮の流れが強くてどうにも岸に戻れず、必死に手を振って助けを求めました。

 異変に気づいてくれた叔父が助けてくれて事なきをえたのですが、それ以来、海で泳ぐときは、見えないところに罠が隠されているようで、いつも緊張してしまいます。

 また、天橋立の岸壁を歩いていたとき、足を踏み外して海に落ちたこともありました。ただ歩いていただけなのに、なぜ落ちたのか、まったく覚えていません。

 運良く近くを通りがかった小学生がぼくに気づき、差し出してくれた虫アミを伝って登り、危機を脱出することができました。「たすけて」と声に出したのは、これまでの人生であの一度きりです。

お互いを励ますようなカナダガンたちの鳴き声が空に響き渡る。湖の氷が融け、南で冬を過ごした渡り鳥たちが、北の森にかえってきた。
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