第17回 渡辺佑基「日本けん玉協会南極支部」

(撮影:渡辺佑基/協力:ニコンイメージングジャパン)(写真クリックで拡大)

「しらせ」はフリーマントルに向けてまっすぐ北上を始めた。すると数日のうちに気温がマイナスからプラスに転じ、海に浮かぶ氷山もまばらになってきた。とはいっても船内生活に特別な変化があるわけではなく、海洋観測に忙しい一部のひとたちを除いては、判で押したような毎日が続く。寝食の合間にデスクワークと読書、そしてけん玉。

 そう、船内で何をしているって、けん玉をしている。毎晩8時半を過ぎると、「マイけん玉」を手にした「けん玉部員」達がぞろぞろと集まってきて、遊戯とは呼べぬ真剣さでもってカツカツと練習を始める。「ひこうき」「ふりけん」「日本一周」「世界一周」「けん先すべり」「うぐいす」――けん玉には初心から熟練まで、レベルに応じたおびただしい数の技がある。より高度な技を習得し、より上位の級位を取得すべく、稽古に励む。

(撮影:渡辺佑基/協力:ニコンイメージングジャパン)(写真クリックで拡大)